2008/11/14

10 years in the US

アメリカで働き始めて来年の春で丸10年になる。思えばあっという間だった。幸運にも10年間、やりがいのある仕事と職場に恵まれてきた。必死で学びながら前進してきた10年だった。
考えてみれば10年前、PCに入ってるOSはまだWindows95とか98だった。日本から持ってきた数年落ちのPCのCPUは200MHzのMMX Pentiumだった。AppleはJobsがiMacを大成功させて、復活の道を歩き始めたばかりだった。本当にコンピュータ業界の変転は激しい。
日本ではまだインターネット接続にISDNを使っていたので、アメリカでRoadRunnerのケーブルモデムが入ってから、日本の友達にその速さを自慢したものだった。いまや日本ではFTTH当たり前、なのにUSのブロードバンド事情は寂しい限りだ。テクノロジーの浸透にはマーケットだけでなく政治が大きな役割を果たす領域もあるわけだ。
そんな中、僕はアメリカで3つの町に暮らし、技術的に興味深い仕事を続けられてきたので、あまり自分の仕事に直接関係のない他の技術や業界には目を向けないで来た。だが今のベイエリアに引っ越してきて、テクノロジー業界の地理的中心にいながら井の中の蛙でいるのは何だかもったいない気がしてきたのだ。そして一年位前、ネットで見かけたイベントの告知に惹かれて何となくJTPAのイベントに顔を出してみた。
身近な業界のプレゼンターということもあって松田さんのサロンは非常に面白かった。実演コーディングは深夜にまで及び、そのあとも遅くまで色々だべって、すっかりはまってしまった。その後、毎月のギークサロンセミナーには足繁く通うようになった。もちろん技術の話だけなら他にもつながりを作る場はあるのだろうが、日本語と日本文化というコンテクストを共有しながら、触れられる技術の領域は非常に広いというのが本当に良い刺激となっている。そのJTPAが来年の春に丸一日のカンファレンスイベントをやる。今年までは少人数のツアー形式だったものが来年は200人までのカンファレンスになったということで、僕も裏方として参加させてもらうことになった。それを機にこのブログをはじめてみた。
カンファレンスは誰でも参加歓迎だが特にターゲットにしているのは日本の閉塞感から海外に飛び出してやろうと考えている学生や若手社会人、特にソフトウェアエンジニアなど技術系の人たちだ。僕がアメリカに渡ってきた10年前、シリコンバレーはやはり技術のメッカだったが、日本がそんなに遅れをとっているという実感はあまりなかった。だがこの10年間、韓国や他の新興工業国の成長とともに日本の技術的優位は揺らぎ、それが特にエンジニアには苦しい状況を作り出しているように感じる。もちろんアメリカが楽園な訳ではない。競争は厳しく、また今の経済環境の厳しさは世界中共通だろう。それでも技術を糧にに生きていく者に、未来への希望を感じさせる何かがシリコンバレーにはある。このイベントに参加してぜひそれを感じ取ってもらいたい。申込み開始は明日からだ。ぜひふるって参加して欲しい。

Silicon Valley Conference

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